【リスニング】なぜフランス革命は起こったのか
フランス革命はなぜ起きたのかを簡潔にまとめているビデオです。
フランスの歴史を知っていなくても理解できるくらい良くまとめられています。
動画
難易度
プロのナレーターなのでとてもはっきり話してくれています。話す速さは標準的なナレーションよりも少し早いくらいです。
政治や思想について話しているので、難し単語もいくらか出てきますが、物語性がある内容なので意味を推測しやすいと思います。歴史が好きな人は知ってる単語が多いはずです。
要約
人々はどのような権利を持っているでしょうか?それはどこから来るのでしょうか?誰が、どんな権威を持って決定を下すのでしょうか?そして、人々の必要を満たすために、どのようにして社会を形成できるでしょうか?
このような疑問が、フランス中に疑問を抱かせました。
18世紀末に、啓蒙運動と呼ばれる、思想と芸術の転換がありました。哲学者や芸術家は、伝統と宗教に反対して、理由と自由を求めました。中階級の人口増加と、印刷技術の発展もあり、人々の政治に対する関心は高まりました。
当時アメリカはイギリスから独立しましたが、その頃フランスはまだ古典的な政体で、社会階級もはっきりと分けられていました。君主、教会関係者と貴族、そして商人と職人と百姓です。商人、職人と百姓だけが税金を課せられ、王と貴族たちはその税金で贅沢に暮らしていました。
しかし、イギリスとの長期戦争とアメリカ南北戦争の支援のせいで、フランスの経済は傾いてしまいました。王であったルイ14世に任命された経済大臣ネッケルは、政府の経済状況を公開し、税制改革をして大衆の支持を得ました。しかし王の側近はこれに反対したので、王は3つの階級の代表者で話し合う、三部会を開きました。人口の98%は第三階級でしたが、話し合いの権利は代表それぞれに対して平等に与えられました。もちろん、上級階級は特権を失いたくなかったので、第三階級の肩を持ちませんでした。
彼らの声は聞かれず、これでは生活は変わらないと気が付いた民衆は、新しい政体を作ろうと決意しました。しかしルイ16世は、また話し合いを持つように勧めて、人気だったネッケルを辞めさせてしまいました。
これに対して民衆と、民衆に同情した兵士たちは、王権の象徴、巨大な武器庫であったバスティーユ牢獄を襲撃しました。革命が始まったのです。革命が国中に広まるとともに、封建制度は廃止されていきました。
民衆の集会が宣言した民衆と国民の人権は、当時は革命的な思想でした。人間にとって人権と自由は必須であり、政府はそれを守る為だけに存在するという考え方です。
特権を失った多くの貴族は国外へ逃げて、他の国々の王に、フランスを侵略して過去の秩序を取り戻すように懇願しました。
一方フランスに取り残されたルイ16世は、自らの未来を案じて、1791年に逃亡を試みますが、失敗し、王家は投獄されました。裁判の後、王は公開処刑され、1000年にもわたった君主政治は幕を閉じ、フランス第一共和制が設立されました。
その9か月後、贅沢好きで「ミセス赤字」と呼ばれてもいたマリー・アントワネットも処刑されました。しかし、革命はそれだけで終わりませんでした。
政府を変えるだけで満足しなかった革命家たちは、フランスの社会そのものを変えようとしたのです。宗教、通りの名前、カレンダーさえ変えました。
マクシミリアン率いるジャコバン党員たちは、自分たちに異議を唱える者を2万人以上処刑し、恐怖で政治を支配しましたが、やがて衰退しました。その間、フランスは隣国の王たちと戦争をしていました。王たちは、革命が広まる前にそれを消してしまおうとしたのです。
そんなカオス状態の中で登場したのがナポレオン将軍でした。革命の民主主義性を守ると宣言し、皇帝となりました。
フランス革命を通して、10年間でフランスには3つの憲法と5つの政府を持ちました。1871年までは王政設立と反逆の繰り返しでしたが、71年には議会が設立されて、安定しました。
難易度の高い単語
1:04 monarch 君主
1:20 peasant 小百姓、田舎者
2:36 constitution 政体
3:04 feudal 封建制度の
4:36 dissent 異議
4:49 strangle 抑える、殺す