【リスニング】先延ばしする人の心の中【TED】
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動画
これは、Tim UrbanによるTEDスピーチです。彼は、Wait but why?というブログを書いている有名なブロガーです。
先延ばしをしてしまう人の心の中で何が起こっているのかを面白おかしく説明してくれています。学生でも社会人でも、少しは先延ばしした経験があるはずです。
難易度
話すスピードは、最初はゆっくりですが、途中から普通の速度になります。しかし、話し方がとても明瞭で、はっきり区切りながら話しているので聞き取りやすいと思います。
内容も、出てくる語彙も難しくないので理解しやすいです。もし難しければ、日本語字幕を付けることもできるので、一回字幕なしで見た後、字幕ありで見れば、よく理解できると思います。
要約
課題をやる前は、計画的にやろうと考えるものです。しかし、なぜかいつも締め切りの直前まで先延ばししています。90ページの論文でさえ、最後の72時間で書き終えて、締め切りぎりぎりで提出しました。
先延ばししてしまう人と、そうでない人の脳には違いがあります。どちらの人も、心の中に「理性的な決定を下す人」がいますが、先延ばしやの心には、それに加えて「今すぐ満足したいサル」がいます。
「理性的な決定を下す人」は、「今、やるべきことをやった方が良い!」と決定し、心の舵を取ろうとしますが、サルが「いやだ!それよりも、この前起こったスキャンダルのウィキペディアを読もうよ。今ちょうどそれを思い出したところだから」と言い、舵を横取りします。それから10分前にチェックしたはずの冷蔵庫をまた覗いて、だらだらとYouTubeを見続け、「ごめん。今日はもう生産的なことをする時間が無くなっちゃった。ごめんね!」と言います。こうして先延ばしが起こります。
サルは、過去のことも未来のことを全く気にかけず、楽で楽しいことだけをしようとします。動物なら、それは良い人生ですが、発展した社会に生きている人間は、楽で楽しだけの生活を送ることはできません。
もちろん、理性的で生産的な活動は、食事などのように、楽で楽しいこともあります。しかし、労力を必要とし、全く楽しくないこともあります。そんな時、人間とサルの間で対立が起こりますが、先延ばしする人は、ほとんどの場合サルが勝ちます。
そして、心の中の「暗黒の遊び場」で遊んでしまうわけです。先延ばししている時、遊んではいますが、実は真に楽しんでいるわけではありません。罪悪感や、不安、自己嫌悪に陥るからです。
ですが、先延ばしやの心の中にも、守護天使はいます。唯一サルを脅かすことができる「パニック・モンスター」です。いつもは眠っていますが、締め切りが近づいたり、何か危機が迫ると目を覚まします。これがパニックを引き起こし、ビビったサルが木に逃げて、初めて、人が舵を取ることができるのです。
しかし、先延ばしやの真の問題は、「締め切りがない仕事」をすることです。自分の仕事や、家族と会うこと、健康に気を付けることなどです。締め切りがないと、パニック・モンスターが目覚めることもなく、いつまでたってもやるべきことをすることができません。
人生を週で割ってみると、そこまでたくさんの時間は残っていないことがわかります。誰でも、何かを先延ばししていることがあるはずです。なので、自分は何をすべきなのかを今考える必要があります。
考察
彼の喋り方はとても分かりやすいです。ただ、だんだんヒートアップして早くなってくると、ポーズなどが減っていたので少し聞き取りづらいかもしれません。
8:55の And that's we did that day のように、「頭の中のサルと人間」がまるで存在していたかのように話すことによって、ただのたとえ話を、リアルっぽく話しています。こういう風に、普通ならあり得ない一人称を使うのは、英語では割とよくあるテクニックです。
ジョークが沢山あって聞いてて楽しいし、たとえがとても分かりやすく、かつ的確です。TEDトークの中でも、かなり聞きやすい部類だと思います。
彼のブログ
このブログは、3人の人によって運営されていて、人間の脳や人生について面白可笑しく書いています。(ほとんど棒人間ですが)イラストもあります。
文章は喋っているような流れで書かれているので、普段英字新聞や洋書を主に読んでいる人は、最初は読みずらいと思います。文章もわりと長めです。しかし慣れてしまえば、情報だけの文章よりも読んでて楽しいと思います。「人生の伴侶を選ぶ方法」など、なかなか面白い記事もあります。